魔法少女はバラバラだ!
まどか、ほむら、マミ、さやか、杏子5人の魔法少女と、曲者キュウべえが、織りなす摩訶不思議なストーリーについては、紙面?の関係上深くは書けませんが、傑作の誉れ高い一作であることは間違いありません。
このお話で一番のキーパーソンは、暁美ほむらであると確信しています。
彼女は、考え方を変化させていきます、何度も何度も、まどかを救うために。この変化が、まどかを変えます。何度かの転生の中で、非常に感情的なほむらから、論理的に、そして堅実にことを進める信念を持った能史へと変化を続けていきます。これはまさに思考特性の変化です。
環境により意識せずに変化してしまいますが、意思により思考特性を変えることは可能なのです。
考え方を変化させることで環境を意図的に変え現実を変化させる。まさに思考特性を知る、生かす最大の効果です。ほむらは、この変化を主体的に実行しました。ここがこのストーリーのいくつかあるミソのうちのひとつだと思います。
もう一つのミソは、意外にバラバラだということです。
この物語は、少し他のお話と違うと思います。なぜなら5人は決して協力し
ているわけではありません。結果の方向性と努力の方向性は全員一致していますが、チームではないのです。
それはなぜか?
それはこの中にチームを生み出すある思考特性が存在していないからです。
すべてをつなぎ合わせる思考特性いわば個性なき個性、すべての思考特性を包含する思考特性が存在しなかったからだと考えています。茫洋として捕まえどころがなくすべてを飲み込む存在。西郷どんのような存在=思考特性です。
逆にチームではないことで、各キャラクターが一人立ちしているので、感情移入しやすく、圧倒的な世界観の中にうまく希釈されて存在しているのではないかと思います。
宇宙の深淵かつシンプルな法則に気付く(気付いたつもりになる)正に傑作。
キュウべえ曰く『わけがわからないよ。どうして人間は、そんなに魂の在処にこだわるんだい?』
あるかどうかもどんなものなのかも誰も知らないし誰も教えてくれないからでしょうね。